小売業や卸売業と呼ばれる中間業者の立ち位置を180度変更させた思考法の変革の実例があります。1999年に「ニューミドルマン」という言葉が提唱されました。
製造元がつくりあげた製品を消費者へとどけるために小売業や卸売業があります。いわゆる中間業者です。製品を製造元に代わって販売する販売代理業のことです。供給業者の方を向いて、その意向に沿って販売していくビジネスモデルです。
インターネット等の普及により情報伝達が容易になりました。さて、製造元から消費者への商品の流れに何が起こったのでしょうか?消費者の意向を収集できる立場である小売業・卸売業が、消費者のニーズを細かく分析して、製造元へ「消費者のニーズは〇〇です。〇〇に対応できる製品を作ってください」と発注するようになったのです。
《製造元⇒中間業者⇒消費者》という生産者主義から、《消費者⇒中間業者⇒製造元》という消費者主義へと流れが逆転したのです。消費者に製品を実際に販売するのは、製造元でなく中間業者です。中間業者には消費者のニーズを的確につかまえるノウハウの蓄積があります。消費者の趣味・志向を把握することができる立場なので、製造元へ「これが消費者のニーズです」と主張できたのです。
結果としてどうなるのか?中間業者は製造元と消費者をつなぐ「新しい中間業者(ニューミドルマン)」として活躍することになります。アマゾンも顧客情報を大量に保有しているでしょうからニューミドルマンに位置づけられるでしょう。金型商社のミスミが消費者側の代理ビジネスで成功しているのはよく知られています。このビジネスモデルだと、価格決定権を貴社が握れませんか?
D2C(Direct to Consumer)と呼ばれるビジネスモデルは、中間業者を排除して製造元と消費者がダイレクトにつながる販売方法です。やはりインターネット等による情報革命が引き起こしたパラダイム・シフトの一例でしょう。SNSや自社ECサイト・YouTubeを活用して製造元が消費者とダイレクトにコミュニケーションを取れるようになった結果です。
みなさんならどのような手法を使って売り方を変えてみますか。
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