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事業再構築補助金の【指針】が公表されました。

更新日:3月27日

 総予算1兆円を超える大型補助金である事業再構築補助金の【指針】が3月17日に公表されました。

巷では予算規模の大きさから、何とかこの補助金を獲得しようと心待ちにしていた方も多いと思います。しかし公表された【指針】を読んでみると、期待とは裏腹にこの補助金は申請できる要件がかなり厳格であるため、そもそも申請できない事業者がかなりいるのではないかと思われます。

 今回の公表された【指針】によると、事業再構築補助金は2段階のステップを踏んで理解することができます。事業再構築補助金の《定義》と《要件》の2段階ステップです。


 このブログでは最初のステップである事業再構築補助金の《定義》について説明します。みなさんの会社がそもそも事業再構築補助金を申請できるかどうかを確認してみてください。第1段階のハードルは結構わかりやすいです。まずは入門編として気軽に以下を一読してください。


 今回は触れていませんが、売上減少要件も満たさなければ申請はできません。前ブログで売上減少を確認する表を添付しておりますので、そちらの表にも記載して要件を確認してください。


 下記の図表は公表された【指針の手引き】の引用です。


   


 最初のハードルは【事業再構築の定義】を満たすかどうかです。5つの定義【新分野展開】【事業転換】【業種転換】【業態転換】【事業再編】のいずれかに該当するかどうかの確認です。事業再編については特殊論点なので省略します。本題に入る前に次の2点を理解してください。


1:日本標準産業分類って聞いたことありますか?

・総務省が経済活動別に産業を分類しており、【大分類】【中分類】【小分類】【細分類】の4つに分かれます。下記は総務省HPのリンクです。

  https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/02toukatsu01_03000023.html 

 みなさんの事業がこの分類のどこに属するかをあらかじめ確認しておいてください。面倒なら後回しでも構いません。

 

2:この指針では言葉の定義を確認しておくことが重要です。

・「製品等」=「製品、商品もしくはサービス」の意味

・「製造等」=「製造または提供」

・「製造方法等」=「製造方法または提供方法」

という意味です。業種によって使い方が異なります。たとえば小売業では「製品等」は「商品」の意味です。サービス業で「製造方法等」は「提供方法」という意味です。みなさんの営んでいる業種に即して言葉の意味を理解してください。また次の言葉の定義も重要です。

・「業種」とは=「自社の売上構成比で一番高い事業が属する日本標準産業分類の大分類」のこと

・「事業」とは=「同上の中分類、小分類、細分類」のこと

となります。


さて本題です。それぞれの事業再構築の定義について説明します。


1:新分野展開

「主たる業種又は事業を変更することなく、新たな製品等を製造等し、新たな市場に進出すること」

《解説》

「業種又は事業を変更することなく」という表現は、既存の事業を継続しながら新しいことを始めるという単純な意味だと思います。ただし「新たな製品等の売上高が総売上高の10%以上となる」が、売上に占める比率で最上位になることはない、という要件を満たす必要があります。新分野の売上比率が総売上のなかで最上位になる場合は、下記2又は3の定義に分類されることになります。

 この定義だと、割と簡単にクリアできるように思われます。日本標準産業分類で自社が「特別養護老人ホーム(細分類)」をやっていると仮定した場合、同じ細分類に属する「訪問介護事業」に新たに進出したとしましょう。「訪問介護事業」を開始しても、現在やっている「特別養護老人ホーム」の売上を過半数以上浸食しなければ「事業を変更することなく」の定義を逸脱しません。もっとも、市場が重なってしまうと要件をクリアできないのですが、この論点はとりあえず置いておきます。


2:事業転換

「新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更するこ

と」

《解説》

「主たる業種を変更することなく」とは日本標準産業分類の大分類を変えることなく、という意味です。飲食店を例にしましょう。日本料理店から焼肉店に転換するのはOKです。日本料理店も焼肉店も大分類「宿泊業・飲食サービス業」に属するので業種を変えていません。しかし日本料理店から「魚の卸売り業」に転換してしまうと条件を満たしません。魚の卸売業は大分類では「卸売業・小売業」に属するので、大分類をまたいだ転換になり「事業転換」にあてはまりません。また事業転換後は、新たな製品等の売上が自社のなかで一番高い比率になるようなレベルでの事業再構築となります。


3:業種転換

新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更すること」

《解説》

「主たる業種を変更する」ことです。つまり日本標準産業分類の大分類を変えることです。かなり大がかりな転換になります。例えばレンタカー事業を行っていた事業者が、貸切ペンション事業に乗り出した場合です。レンタカー事業は「不動産業、物品賃貸業」に該当します。ペンション事業は「宿泊業・飲食サービス業」に分類されます。これは大分類をまたぐ転換となります。また業種転換後は、新たな製品等の売上が自社のなかで一番高い比率になるようなレベルでの事業再構築となります。


4:業態転換

「製品等の製造方法等を相当程度変更すること」

《解説》

現在行っている事業を変えることなく、販売している《製品の製造方法》・《商品の提供方法》・《サービスの提供方法》を新しい方法に変更することです。また3年~5年後に、この新しい製造方法等による売上が総売上の10%以上を占めるようになる計画が必要です。



以上4つの事業再構築の《定義》が明らかになりました。簡単にまとめてみましょう。


1:新分野展開

※)新しい分野にチャンレジします!

2:事業転換

※)マイナーチェンジして既存の事業からほぼ撤退します。日本料理屋から焼肉屋へ!

3:業種転換

※)フルモデルチェンジして既存の業種からほぼ撤退します。レンタカー屋からペンション経営へ!

4:業態転換

※)既存事業にとどまりますが、製造方法・提供方法を新しい方法に変えます


 このように見てみると、2と3に該当するケースはコロナ禍で相当ダメージを受けた企業様だと想定されます。切羽詰まった状況で事業再構築をせざるを得ないケースでしょう。一方で1と4については、コロナ禍にあっても自助努力で、既に開始しているケースもあるのではないでしょうか。持続化給付金やコロナ特例融資を受けて、新しい分野にチャレンジを開始していたり、新しい提供方法・製造方法を試してみたりしている企業様もいらっしゃると思います。

 既に《新しい》分野にチャレンジを開始していたり、《新しい》方法でサービス提供を始めていたりする場合は、事業再構築補助金を申請できるのか?という疑問が湧いてきます。実のところ、この補助金の申請要件で一番重要なのはこの《新しい》という言葉の意味になります。


 続きは次回の記事に書きますが、今回は事業再構築の定義4つについて説明してみました。


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